Shinjuku Cinema Qualite

Tokyo, Japan
Photo © Hattori Studio
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Architects
Akira Koyama / Key Operation Inc.
Location
Tokyo, Japan
Year
2018

2012年に新宿NOWAビルの地下1階にオープンしたミニシアターのシネマカリテのロビー部分の改装工事。
席数が96席と78席の2スクリーンを有するこの映画館は、シネマカリテとして開館する前は居酒屋として使用されていた。そのため劇場部分も左右非対称の形をしており、ロビー部分も劇場のいびつなプランがそのまま出た凹凸のある壁に囲まれた隙間のようなスペースになっている。この凹凸のある壁が、一律に同じ木調のフィルムで覆われているため、劇場とロビーの位置関係が分かりくにかった。
今回のロビー改装では、オープンから5年が経ったため、ビジネスホテルのような単調で暗い木調パネルが基調になっていた内装をリニューアルしてイメージを更新することになった。
シネマカリテの姉妹館である新宿武蔵野館を2016年に全面改装した際は、劇場もロビーもシネマカリテより大きかったため、映画の世界観を表現するテンポラリーな展示をメインに考え、映画のセットのような内装デザインとしたが、シネマカリテは面積が半分以下なので、なるべく軽やかで明るいロビーとすることを考えた。
また劇場1、劇場2、トイレなどの水回という、大きく3つのヴォリュームに挟まれた隙間にロビー空間が広がっているため、それぞれのヴォリュームの仕上げを少しずつ変えることで、3つのヴォリュームに挟まれた空間であることを強調し、全体の位置関係を認識できるようにした。仕上げは内装制限で不燃材料である必要があるため、不燃材料の仕上げがそのまま特徴的な素材として、木毛セメント板、波板スレート、ケイ酸カルシウムの有孔板で仕上げた。どの素材もグレーを基調としつつも、微妙に素材感が異なるので、明るく軽快な雰囲気を出しながら、3つのヴォリュームの存在を際立たせることが出来た。
既存の受付のカウンターは部屋になっていて、スタッフがロビー全体を見渡すことが出来なかったため、壁をとって、オープンな受付カウンターとした。このカウンター、ロビー中央に位置する柱周りの展示棚やベンチは明るめの木材の仕上げとして、空間全体の中のアクセントになっている。

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