写真 © 矢野紀行
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Village on the building

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場所
東京, 日本
2016

東京都心の事務所ビルの計画。

地価が高く規制が厳しい都心で事務所を設計しようとすると、貸せる面積をできるだけ整形で広く確保して、日影や斜線制限いっぱいまで建物ボリュームを大きくする、といった流れで計画の大半が型通りに決まってしまう。投資額に対する経済性や合理性を考えると仕方ない面もあるが、

・計画が型通りに決まらない場所を見つけて、そこに小屋のような建物を設置し、敷地の潜在価値を隅々まで有効利用する
・小屋のような建物によって、型通りに決まってしまった大半の空間(=事務所本体)の使い方を逆に活性化する

という方法で計画を少し自由にできないかと考え、小屋のような建物と事務所本体を組み合わせることで、ビル全体を構成している。

小屋のような建物は、事務所本体と敷地境界の隙間や、事務所本体屋上の日影規制にかからない一部にあり、濃いレンガタイルで外観を仕上げている。賃料を伴う事務所とするには間取りが不整形だったり、天井が低かったりするため、賃料を伴わない付属空間として扱っている。具体的には1階のエントランスギャラリー、4階のゲストルーム、5階のミーティングルームの3つであり、それぞれを屋外階段でバルコニーを経由して繋げている。

事務所本体は、賃料を伴う整形な空間であり、淡いレンガタイルで外観を仕上げている。各階をエレベーターで繋ぎ、屋内階段は設けず、可能な限り床面積を確保している。上階になると日影規制で北向きにひな壇状のバルコニーが出来てしまい、床面積を減らさざるを得ないが、その代わり事務所からバルコニーに向かって大開口のサッシュで連続感を持たせ、開放性を確保している。

各階同士の移動は能率を考えればエレベーターだが、屋外階段を使えば、東京タワーが見える眺望を楽しみつつ、広いバルコニーで気分転換をしながらの移動もできる。バルコニーは明るいグレーの大判タイルで仕上げ、天気のいい日にはイスを出して休憩したり、ちょっとしたBBQパーティーもできるような造りとしている。

北向きのバルコニー、雨ざらしの屋外階段、不整形な間取り、低い天井・・・それぞれ単体では評価しにくい要素だが、それぞれを繋げながら事務所本体と有機的に相互利用できるようにして、ビル全体として独自の魅力を備えることができればと考えた。

大地に根ざして村がつくられたように、都市での経済活動に根ざして集まった人が豊かに過ごせる場所を、小屋のような建物を使って立体的に構成しようと試みている(=Village on the Building)。

-中佐昭夫-

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