写真 © Koichi Torimura
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軒下と小屋裏の部屋

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場所
東京, 日本
2011

担当: 西田司+稲山貴則+梁井理恵

東京都文京区に建つ住宅。

この地域は斜面地が多く、この敷地も面積の半分以上が崖になっている。斜面地は昔から手付かずの状態で残されていることが多く、敷地にも沢山の樹木が残っていた。施主からは土地の記憶を引き継ぐために樹木は出来るだけ残して欲しいと要望があった。また、崖下には中層の建物が密集しているためそこからの視線も考慮することも要望の一つであった。

そこで、崖に残る土地の記憶を残すために建築は崖を避け敷地の平らな部分(約16m×4.5m)に配置することにした。そして、崖とほぼ同じ勾配の大きな屋根を架けることにより、崖下の建物からの視線をコントロールすることを試みた。大きな屋根の庇が伸びることにより、軒下空間である1階は外部からの視線を遮り、内部からの視線を崖へと導く。庇が水平距離2mも伸びた軒下空間により、低木は室内に取り込まれ、高木は屋根を貫通し崖と建築との有機的な関係を生む。小屋裏空間である2階では屋根の勾配に合わせて傾斜した窓を目線より上に設けることにより、外部からの視線を遮り屋根を貫通した高木の緑と空の風景だけを室内に取り込むことが出来る。軒下と小屋裏に窓を設ける一方、中間階には窓を一切設けず収納空間とした。

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